本郷和人先生、この記事をパクっていませんよね
井伊直虎について、昨年の秋以降いろいろな本や新史料が出てきて、考えあぐねているうちに年が明け、大河ドラマも始まりました。
ドラマの方はあくまでも創作と割り切って楽しめばいいのですが、まわりの歴史解説のほうで気になるものを見つけました。
東京大学史料編纂所の本郷和人先生が、産経新聞で連載しておられる「日本史ナナメ読み」で、2月2日と2月9日に「井伊直虎の謎」上下として記事を書いておられます。
http://www.sankei.com/life/news/170202/lif1702020011-n1.html
http://www.sankei.com/life/news/170209/lif1702090011-n1.html
そこでは、
- 「井伊家伝記」の史料的価値は低い
- 次郎法師とは僧侶の名ではなく、幼名である。「○○法師」という幼名の例として信長の吉法師がある。
- 直盛が1526年生まれなので、直虎を1536年頃の生まれとする今一般に言われている説ではあわない。
という考えをベースにして、さらに説を展開されておられます。
このブログのこれまでの記事を読んでいただければわかるとおり、上記の説はいずれも昨年8月段階でここで述べています。
この程度のことはご自身で考えつかれたのかもしれません。また、新聞の軽い読み物なので、逐一出典を書くほどではないのはわかります。
ただ、もしこのブログやここで引用した先行研究を参考にされたのであれば、文字数に余裕がある原稿では典拠をお示しくださいね。研究者であれば、自説と先行研究を区別して示すのは最低限のマナーですから。